困ったふりや
さびしいふりを
してみたり
するが
どうにも
こにも
困っていないし
さびしくも
ない
あゝ
なんという
ことも
なく
なく
軽井沢
ひとりぼっちで
来ているが
そろそろ
秋も
晩秋で
むかし
キレイな恋人に
なりかけていた
恋人未満が
首を吊ってた林が
あそこ
そよ風ぐらいは
吹いていた
よな
いなかった
よな
彼女まったく
揺れもせず
しっかり
下がっていた
あそこ
発見したのは
彼女の妹
もっとキレイな
稀な子で
ほら
はやく来て
来て
来て
と
わたしを引いて
このあたり
まで
そよ風ぐらいは
吹いていた
よな
いなかった
よな
彼女まったく
揺れもせず
しっかり
下がっていた
あそこ
あゝこれで
もうじゃまな
姉は
いないわと
大手を振って
わたしたち
どこへも行ける
愛されて
愛せるんだわと
よろこんで
ここで
わたしに抱きついた
彼女の妹
稀な美女
ひとりぼっちで
軽井沢
来て
歩いてる
ひさしぶり
このあたりまで
近づけば
しっかり
下がっていた
あそこ
彼女のすがたも
懐かしい
もう少しすれば
あの時の
彼女の
キレイな妹も
もっとキレイな
稀な子も
列車で着くはず
今晩は
ふたりでゆっくり
とるディナー
あのあとで
すぐ結婚をした
わたしたち
仲むつまじく
過ぎてきて
はやくも十年
十数年
とかくこの世は
首を吊る
だれかがあって
しあわせに
なるだれかいる
世のさだめ
困ったふりや
さびしいふりを
してみたり
するが
どうにも
こにも
困っていないし
さびしくも
ない
あゝ
なんという
ことも
なく
なく
軽井沢
ひとりぼっちで
あゝ
たのし
すぐ妻も来る
あゝ
うれし
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