この世のことを
おおごとにとらえ過ぎている花々が
足を生やして大挙してくる
そこを狙って
かたちを捉えきれないほどの大鉈をふるい
刈り取りする者がいるが
あれはだれか?
刈り取ろうとするのは
ほんとうはなにか?
なにもしゃべらずに生きよ
と聞こえる声が
小さすぎるような
大きすぎるような
そのせいで
だれにも聞こえない
聞こえないのをいいことに
わあわあ言っていると
あの大鉈で
ざあっとやられる
ひとたびやられたぐらいでは
まだ刈り残る者が無数にいるものだから
おおごとだと騒ぎたてて
なおのこと姦しく
わあわあ言うのだが
そこをさらに
何度も
ざあっと
ざあっとやられる
それでも刈り残される者たちがいるが
花であることを
かれらはやめてしまう
岩や風になるというよりも
風景になってしまう
他の場所とはちがうという
その場所だけの雰囲気になってしまう
そういう
生き延び方というものがある
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