2020年12月7日月曜日

「知的」人種

(「新ブヴァールとペキュシェ」1

 


B そもそも、発明者のマリス博士が効力と危険性について釘をさしておいたはずPCR検査というゴマカシの手段によって、かなり知的レベルの高い人間さえも欺くという手法だね。


P しかもCovid-19の表面的な存在証明はこの一点にのみ掛かっている。


B どうして知的な人間が簡単に騙されるのかね?


P そこが「知的」なるものの陥穽さ。現代の「知的」は、他人や世間への「知的」というアクセサリーの誇示とぴったりセットになって機能する。そして、現代社会における「知的」とは、ほとんどの場合、新たな概念や新たな発明品、新旧を問わぬ制度や組織などへの通ぶりを意味している。そのため、アクセサリー誇示衝動に動かされる虚栄心の旺盛な者ほど、新たな概念や発明品についての知ったかぶりに走る。文字数20000字以下の簡易説明文を読んでレジュメするのは、こういう「知的」人種は得意だから、その程度の情報を各アイテムごとに仕入れて、そうして140字以内の発信をしたがる。文字数の過度に少ない発信は、そもそも言説というものが間テクスト性によってのみ成立しているゆえに、受け手にその少量情報以上の大きな広がりを感知させる。それによって、「知的」たらんと見せたがる人種は、心理的収入を得るわけだ。だから、彼ら自身が「騙され」ているとは言い切れない。彼らは、テレビの軽佻浮薄な煽動番組のコメンテーターと同じただのスピーカーに過ぎないから、その都度その都度の心理的な儲けに繋がる言辞を発信し続けるに過ぎない。




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