たいした量ではないものの
非常食として買い溜めっぽくしておいたスパゲティにも
賞味期限というものが来る
そういえばまだ大丈夫だったかな?などと包装袋を見ると
昨年の秋で期限が切れていたりする
そんな袋が三つも四つもあったりすると
ちょっと焦ってくる
急き立てられるようにして
うちにいる昼など
しかたなくスパゲティを食べることが多くなる
スパゲティは嫌いではないし
いざ取りかかり出してしまえば作るのも大変ではない
けれども
スパゲティでも作ろうかな?と思っている時点では
なんとなく面倒臭さが勝る
パンを数枚かるく食べて済ましたい気持ちになったりする
とにかく古いものを消費しないといけないのだから
今日はスパゲティにしてみるか?と決まってしまえば
後は時間の問題があるだけで
包装袋に書かれている「茹で時間」のぶん待たされるだけのこと
茹で時間8分とか9分というのはなんだか長いなあと思わされるが
あえる野菜などを切ったり炒めたりしていればすぐに経ってしまう
趣味の「男の料理」などにこだわるタチではないので
スパゲティ用のソースも使わずに
乾燥したトウガラシとニンニクとオリーブ油だけで味を付けること
そこにあり合わせの野菜をちょっと加えてあえる
これがさっぱりしていちばんうまいし軽いし楽でもある
うちで作るスパゲティはこれだけでいいのだと発見するまで
けっこう人生時間がかかった
できあがって食べる時に
タバスコや粉チーズなどでちょっと味覚調整をするものだが
かならずゴマも摺って振りかける
それでも味がいまひとつかな?という時は
けっこう上質の海塩をつまんですこしずつ振りかける
スパゲティの味は食べながら振りかける塩でこそ調整できる
これに気づいたのはつい昨年のこと
必要だったのはタバスコや粉チーズではなかったのだ
振りかけかたにはちょっと気を使う
ほんの少しずつ振りかけては味を見てみる
少しでも多めにかけてしまうと求めている美味さは崩れてしまう
ちょうどよい加減を最後の最後で見極める
スパゲティの味だけでなく
最後の最後で美味さを決めるものは
ごたいそうなソースや調味料ではなく
ひとつまみの上質の海塩だったりするものだ
などと
人生の機微について知ったかぶりしたがったり
格言めいたことをつけ加えたがったりするチープな物書きや
チープな先行世代たちのマネは
絶対に
ここでもやらない
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