2016年4月3日日曜日

花笠音頭



桜の飛鳥山も
ふらふら
ゆるりとひとまわり

宴の舞台では
民謡にあわせての
踊りの輪

そこから離れ
立ち止って
ちょっと見ている

花笠音頭がはじまると
となりにいたお爺さんが
急に踊りはじめた

杖を立てかけ
繊細に手先をひるがせて
なかなかの玄人っぷり

舞台まで行って
踊りの輪に
入ればいいのに

入りに行かず
離れた人通りのあるところで
きりっきりっと踊る

ちょっと変わった人とも
風狂とも見え
人はオヤッと避けて行くが

今年の桜を寿ぎ
若かった頃の姉や母とでも
結婚したばかりの頃の妻とでも

踊ってでも御座るのか
もう皆いなくなってしまって
ひとり身に皆を担って

踊ってでも御座るのか
きりっきりっと肩を切って
繊細に手先をひるがせて




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