2016年4月8日金曜日

とんでもない超保守主義者

  

わたしには主張すべきものもないし
うるさく言い募る人たちと違って
じぶんの思想
などと言ってみたくたって
読みかじり
読みあさりの
あっちこっちの断片の
パッチワーク

考え方にしたって
民主主義っていうのは
徹底したら
天皇さんがいるのはヘンだと思ったり
でもそこらの首相より
よっぽど
天皇さんのほうが
お人がよさそうだし
などと迷ってみている始末で
不徹底
不正確この上ない

感情など
父母のあれこれの反応のしかたを
脳の奥に染み込ませて
そこに後から
他の人たちの反応のしかたを
吸い込んで
自分の心で御座いと
思い込んでみている程度

そうして
あゝ
たましいときたら!
あるのか
ないのか
時どき言葉としては
大仰に使ってみたくなるものの
カラオケで
おじさんが放吟するようなぐあい
口から出まかせとは
このこと

もちろん
身体なんて
徹頭徹尾借り物
地上の原子分子をかき集めて
必死で顔かたちを
支えているだけのこと
DNAなんぞに至っては
アダム爺ちゃんとイヴ婆ちゃん以来
ずるずる引き摺ってきている
借り物中の借り物
そんな伝承を別にしても
最初の類人猿はルーシーと云うそうで
ルーシー婆ちゃんのDNAを
後生大事に抱え続け
使わせてもらっている
ということは
とんでもない超保守主義者なわけで
道理で
革新改革刷新ばかり空疎に叫ばれる
この世とは
反りが合わないというもの




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