時空にも血圧があって
夏の夜明け頃には
それがグングンあがっていくのが
とってもよくわかる
それにあわせて
こちらの血圧も上がるので
つられて目覚めてしまう
小鳥たちがやかましく歌いはじめ
朝顔ももういっぱい
今日の花を咲かせている
このまま起き出て
日が暮れるまで
からだと心を地球に密着させて
生き通せばいい
そうできればいいが
ヒトの密集地に滞在していると
もう少し寝ておかないと
夕暮れまでは保たないかもしれない
ヒトへの取材の旅の最中
そんな厄介事が
次から次と出てくる
しかし今朝は
もう起き出てしまおう
四時頃目覚めて
ずっと地球の血圧の上昇に
つきあい続けていく
空気と気と遠近のさまざまな音に
ピッタリ密着し続けて
すっかり自分など薄めて
存在とか“いる”とか“ある”とか
そんなものさえ
ヒト群れのカエサルたちに返して
よく深山の聖地で
透明なのにべったりと濃い
空気の地帯に入り込むものだが
あんなふうにすっかり透明になって
それどころか
もっともっとサラサラと
感知し得ないほど
薄く軽い気になって
空になって
0 件のコメント:
コメントを投稿