…しかし、大いなる風が
あのあたり
高い高いところを吹き抜け続けている
下界やこのあたりの
息苦しさ
肌を荒らす
小さな虫の凝集のような
局所的な空気の不快さがなんだというのか
名もないどころか
まだ人類のだれもが感知さえしたことのないものが
あのあたり
高い高いところを吹き抜け続けている
数万年は続いてきた
安定し切った吹き続けのさまに
いるかいないかの代表格であるわたくしも思いを馳せ
認識の虚妄と傲岸を少しは拭い去って
いるかいないかではなく
より鮮明にいないことの誇りを発揮すべく
魂をあの高いところに向かわせるなどという空言の捏造には向かわ ずに
たゞなきものとして
清潔に空の器として
小さな束の間の認識を湛えていこう
あのあたり
高い高いところを吹き抜け続けている
大いなる風への
第1の献歌を終わる
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