駿河昌樹 詩抄
気ままな詩選を自分の愉しみのために。制作年代も意図も問わず、まちまちに。
2016年8月3日水曜日
欠損
夜も遅いというのに
ほとんど
人も通らぬ河づたいの
丈高い草ぼうぼうの小道を歩いていると
静かなはずなのに
ふと気づく
ゴウゴウと地響きのように
唸り続ける音
河のむこう側に高速道路が連なり
夜も遅いからこそ
人も通らない時間だからこそ
絶えぬ自動車の音の響きが
こちら岸にまで届いて
ゴウゴウと地響きのように
唸り続けている
夜も遅いからこその
大きな河の自然の
この残念な
欠損
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