その花火大会は
大きな河沿いで打ち上げられるので
土手づたいに
夕暮れ
散歩がてらに歩いていた
つらつら
つらつら
歩いて行った
間近まで行くのは遠すぎるので
途中で止まったが
それでもかなり近い
大きな音が響き続けて
大輪の花が空に開き続けた
しかし
なぜだか私は
急に飽きてしまった
花火というものに飽きてしまった
ニッポンの花火というものの
凝り方や見せ方
それへの寄り集まり方
夜空でとりどりの色の花が開く時の
下界の闇の深さ
つまらなさ
わびしさ
それらをみんなひっくるめて
飽きてしまった
もう、いいよ
ニッポンの花火よ
もう見に出ることもないだろう
ほとほと飽きてしまった
すっかり飽きてしまった
ニッポンの花火よ
もう、いいよ
見尽したのかどうか
なにか飽和点に達したとか
心のコップの縁から水が零れるまでに至ったとか
どうかわからないが
もう、いいよ
ニッポンの花火よ
二度と見に出ることはない
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