夕食
といっても遅いが
準備をする前
地からすこし浮かせてくれる
曲をかけて
キウイひとつ
先に
アペリティフ
なにを
聴きたいの
わが心よ
はじめ
ヴァルヒャの弾く
フーガの技法*をかけてみて
なかなか
よかったが
ちょっと
違う
ゲーベル指揮
ムジカ・アンティクワ・ケルンの
音楽の捧げもの**
に
替える
あゝ
こっちのほうが
と
腑に落ちた
瞬間
わかった
まるで
電光掲示板に
これから離陸予定の
いくつもの
飛行機がくっきりと表示されるように
やるべきこと
やらないでいいこと
どの順で
どんな手さばきで
もう
大きな荷物は
ぜんぶ
預けてある
小さな手荷物だけ
持って
出発
わたしを待っていた
わたしだけの
国際空港
出発ゲートへ
*ポリドール、1957、
**ポリドール、1979、ミュンヘン録音
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