(…また、声が響いて来ている)
どのような呼び方をするのであれ
この世では
この環境では
このわたしなるものを義務づけられた保管期間にあっては
たゞ消極的であれ
身体が生きるかぎりは身体の生きに乗って生き
身体が機能を停止する時にはそれにしたがってわたしも去れ
災害は来るに任せ
災害によって身体を損なわれるならば損なわれるままにあれ
偶然に身体を救われて身体がなおも機能活動を続行するならば
身体の機能の継続に任せてそれに乗ってわたしとしてあれ
わたしが企画し構想し運営しているわけでもない社会の
維持にも改良にも革新にもなにに向かっても動き出してはならない
たゞ空気のようにそれら架空の約束事の束の上に漂ってあれ
どのように進もうともそれらは厖大な数の脳たちの妄想でしかないから
それらにわずかの価値さえあるものとは信じ込んではならない
いま与えられている身体と環境の偶然の織物の中で
空気のように風のように水のようにたゆたうに任せよ
未来に影響を及ぼすなにかを成そうとすれば未来の不幸しか生まな い
なにひとつ積極的に為そうとはせずに
たゞ受動的であれ
たゞ消極的であれ
たゞ受動的であれ
たゞ消極的であれ
(…Yes、わたしは
(これまでのように
(印象の総合でしかない
(根拠も価値も必然性もないわたしの
(徹底した無為の今生を
(続けていく……)
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