コメディアンというのか
お笑い芸人というのか
ドタバタ芸人というのか
テレビの常連さんのあの人とでもいうのか
なんと呼べばいいのかわからない人がはやりの病気で亡くなって
それはそれでご愁傷様とは思うのだが
じつはこの人のお笑い芸をほとんど見たことがなくて
そればかりかこの人がザ・ ドリフターズの一員として出てきた時には
雑でガサツで品のないうるさい芸風に嫌気がさして
お風呂上がりのちょっとの居間での休息のあいだだけでさえ
もうザ・ ドリフターズを見るのはやめてしまおうと決めたものだった
いかりや長介がよくこれを許すなぁと思ったものだったが
こちらもテレビなどは漫然とは見なくなるようになった歳でもあっ たし
見なくなってしまえばどうでもよい世界でもあるので
バカ殿だの♪東村山~だの♪へんなおじさん~だの
有名な持ちネタを職場の誰それから聞かされたりして知りはしたし
子どもたちがマネをして困っちゃうわという話につき合ったりはし たが
こちらとしてはそこですべて済んでしまう話で
ところがツイッターをはじめとするネット上の書き込み欄を見ると
ずいぶんとたくさんの人がつぎつぎと哀悼の気持ちを表明している し
日本の宝を失った!とか叫んでいる人たちもいて
むしろこちらのことのほうにとんでもなく驚かされてしまう
日本を代表するエンターティナーだったと東京都知事さえ言うくら いで
そうか、宝だったのか! そんな大人物の芸をまったく面白いと思えずに
このせせこましい列島で生きてきてしまった何十年だったか…と
どこまでこの列島村でじぶんの感性も趣味も異端でしかあり得ない のかと
ニホンブンカとやらにまつろわぬ者としてのわがサガを思い知らさ れ直す
とはいえ会ったこともないご本人をどうこう思ういわれもなく
仕事の外で出会ったりしたらまったく別のつきあいもあり得たのかも
菅野完のこんなツイートを読んでみると
今さらというか今ごろになってというか
ちょっと違う視点ではじめて見つめ直してみようかと思ったりもす る
《麻布十番でさぁ、いつも若いおねーちゃん引き連れてさ、
《いつもジャージとウインドブレーカーなのに、
《飲んでる姿が超かっこいいのよ。
《めちゃくちゃかっこいい。
《渋いジジイだった。
《全然えらぶらないし、媚を売ることもない。
《飲み屋で姿を見かけて「ああかっこいいな」と思ったのは、
《志村けんぐらいだった