昨日
十月十一日
傘も差さないでいいような小雨の降るなかを
森のなか
森のそと
街のなか
大通りに沿って
あるいは
沿わないで
歩き続けた
時々は傘を差したくなって
差したり
やはり
閉じたり
けっこう濡れるので
また
差したり
そうしながら
この雨を的確に表わす単語を持っていないことに
もどかしさを覚えた
糠雨
小糠雨
これらは近いが
秋のこの時期の雰囲気を含めた単語となると
濡れながら歩き続ける
自分の手持ちの語彙にはなかった
霧雨
小雨
どれも十分でなくて
秋雨
秋霖
秋黴雨
これらでは言い過ぎのようで
俳句を二三
思い出してみて
誤魔化そう
と
する
秋雨の瓦斯が飛びつく燐寸かな 中村汀女
時間とて止まることあり秋の雨 平林 良
コーヒー店永遠に在り秋の雨 永田耕衣
秋霖や先見えてなほ遠き道 社本矩子
どれも
違うんだ
な
昨日
十月十一日
傘も差さないでいいような小雨
は
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