わたしは
旅行に出なければなりませぬ
まづ花巻へ行つて
それから遠野の方へ移つて
だんだん
淋しい歴史のない口碑や迷信や
破格の言葉の多い處を
探り入つて行かうと思ひます
と
折口信夫
柳田國男に出した
これは
手紙の一部
でも
あったか
なんという
旅行
これは
だんだん
淋しい歴史のない口碑や迷信や
破格の言葉の多い處を
探り入つて
歴史のない
口碑
迷信
破格の言葉に
じぶん自身
淋しく
淋しく
なっていって
しまわねば
ならない
旅行
まるで
詩
いや
破詩!
そのものの
ような
だんだん
淋しい歴史のない口碑や迷信や
破格の言葉の多い處を
探り入つて…
とは
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