なんの曲だったか
あれは
たしかに何度も聴いて
こころ惹かれたというのに
そのたび
曲名を確認しないで済ましてしまったり
プログラムで名を確認したものの
いつのまにか
忘れてしまったり
そんな曲が
けっこうある
アレクサンドル・ボロディンのオペラ
『イーゴリ公』のなかの
有名な「ポロヴェツ人(韃靼人)の踊り」も
そんなひとつ
オーケストラだけの演奏で聴くのもよいが
やはり
オペラとして上演されているものを
見聞きするほうが
面白かったりはする
他のオペラ上演よりも
有名でなくても
キルギス共和国のビシュケクにある
オペラ&バレエ・シアターでの公演などは
踊り子たちの手の揺らし方がいちばん美しくて
夢見心地になる
いま33歳の
ロシアのソプラノ歌手ダリア・ダヴィドヴァ(Daria Davidova)も
第二次大戦前のヨーロッパ女性の雰囲気があって美しく
見ていて楽しい
もちろん
マリインスキー劇場でのゲルギエフ指揮の上演も
それ以外の
場所の不明なロシアでの上演なども
それぞれにすてきで
見飽きない
『イーゴリ公』が扱っているのは
中世ロシアの叙事詩『イーゴリ遠征物語』で
キエフ大公国の公イーゴリ・スヴャトスラヴィチによる
遊牧民族ポロヴェツ人(韃靼人)に対する1185年の遠征だが
900年近く前のキエフからロシアへの襲撃の話なわけで
まったく
あのあたりでは
1000年このかた
やったりやられたりの
永遠に変わらぬ
くり返し
というわけ
まったく
まったく
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