2023年8月28日月曜日

サントリーオールドCMと小林亜星と開高健


 

 

 

サントリーオールドのCMの最盛期

テレビCM自体が

小さな映画のようだった

時代

 

作家の開高健が出たり

詩情豊かな趣きのあるものが

多く

作られていた

 

あそこで使われている曲は

外国の誰の歌だろうと思っていたら

なんと

CM曲作りの天才的名人

小林亜星の作詞作曲になる

『夜がくる(人間みな兄弟)』

という曲だった

 

https://youtu.be/DBzhhTzTXBY

 

https://youtu.be/PAxKJl0u9xw

 

https://youtu.be/wnBCYJYXFI0

 

https://youtu.be/RKOzVb48s1s

 

https://youtu.be/RvXihUU-PSA

 

(このアラスカ鉄道編には

車内の客の中に

作家阿川弘之の顔も見える

阿川佐和子の父で

元海軍中尉

有名な鉄道マニアだった

名文家で

『米内光政』

『山本五十六』

『井上成美』

などは

必読すべき作品)

 

 

サントリーオールドのCM

開高健が出るのは意外ではなく

開高健はもともと

サントリーが「壽屋」という社名だった時代の

宣伝部のコピーライターだった

 

PR誌『洋酒天国』の編集や

ウイスキーのキャッチコピー

(トリスウイスキーの「人間らしくやりたいナ」が有名)

を手がけ

『洋酒天国』は開高の編集により

発行部数が

1万部から13万部になった

という

(開高健が小説家になってやめた後は

開高に引っ張られた山口瞳が編集を継ぎ

山口瞳も作家になっていく)

 

ちなみに

ウイスキー他

きつい酒を飲み過ぎた開高健は

食道がんにかかり

ニューヨークの海で釣りをした8年後

1989

58歳で死んだ

 

しかし

谷崎潤一郎や川端康成

三島由紀夫

の後

日本に

開高健と安部公房あり

と認められた

大作家としての死

だった

 

 

高級ウイスキーだったサントリーオールドは

1940年すでに

山崎蒸溜所で誕生していた

 

「新・サントリーウヰスキー誕生」だけは告知されたものの

太平洋戦争に突入していく時勢の中で

商品化は許されず

会社は軍用のウイスキー作りに注力した

 

戦後の1950年になって

サントリーオールドは商品化され

バー・クラブ・スナックなどで知られるようになり

高度経済成長期には

寿屋の売り上げのほとんどを

オールドで占めた

 

とはいえ

サントリーオールドは

じつは

原酒構成に疑惑のあるウイスキーでもある

 

1981年当時に

日本消費者連盟が入手した内部資料では

オールドの成分構成は

モルト原酒27.6パーセント

グレーンウイスキー45.1パーセント

汲水26.1パーセント

甘味果実酒0.8パーセント

リキュール0.4パーセント

カラメル0.6パーセント

となっている

 

このうちのグレーンウイスキーは

本来

無色透明の穀物アルコール(飲料用エタノール)でなければならないが

サントリーオールドで使用されているのは

熟成した伝統的なグレーンウイスキーとは保証されていないため

ここに疑義が残ることに

なる

 

EUのウイスキー定義には

「最終蒸留液の容量700リットル未満の木製樽における

3年以上の熟成」

という項目があるが

原料であるモルトウイスキーやグレーンウイスキーが

この基準を満たしているか

が問題となる

 

ブレンディド・ウイスキーであるとはいえ

サントリーオールドは

「甘味果実酒0.8パーセント」を加えている時点で

whiskyまたはwhiskeyは、甘味付けまたは香り付けをされないもの」

とするというEU基準からも

外れている

 

 

ウイスキーに関するEU基準は

以下の通り

 

2. whiskyまたはwhiskey

(a) whiskyまたはwhiskeyは、専ら次に掲げるものにより製造されたスピリッツ飲料である。

(i) 発芽させた穀物から他の穀物の全粒の併用の有無を問わず作られたマッシュであって、

― そこに含まれるモルトのジアスターゼにより他の天然の酵素の併用の有無を問わず糖化され、

― 酵母の作用により発酵されたもの

の蒸留

(ii) 蒸留液が用いられた原料に由来する香りおよび味を有するよう、94.8%未満の分量となる一または複数の蒸留

(iii) 最終蒸留液の容量700リットル未満の木製樽における3年以上の熟成

(b) whiskyまたはwhiskeyの分量による最低アルコール強度は40%とする。

(c) 希釈化の有無を問わず、別紙I (5) に定義されるアルコールの添加は一切なされないものとする。

(d) whiskyまたはwhiskeyは、甘味付けまたは香り付けをされないものとし、かつ、着色のために用いられる無味カラメル以外の添加物を含まないものとする。







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