遠いところからわたしを生きて
葦やほかの草の
さびしく群れる水辺で
今宵も
月のわびしさは
あのひかりが
明日の糧のこれっぽっちにも
なってくれないこと
出そうと思っていた
手紙も
もう不要だと心底わかってきて
遠い日
あちこちの街で見た賑やかな
祭りの数々
貧相な電球の数珠つなぎや
質の悪い砂糖菓子
すぐ壊れてしまう一夜かぎりの
微笑んだ悪魔のような
真っ白のお面などが
葦のざわめく闇に
見えるようだったり
見えなかったり
そんな
なにもかも
そんなでない
なにもかも
遠いところからわたしを生きて
こんなにも
遠いところから
わたしを
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