2017年1月7日土曜日

使い終わった一年間の手帳


  
死んでしまつた人間といふものは大したものだ。
何故、あゝはつきりとしつかりとして来るんだらう。
小林秀雄『無常といふ事』


使い終わった
一年間の手帳には
どこか余白に
その年の掴みとなるまとめと
じぶんの人生の中での
その年の位置づけを
単語を並べるだけでもいいから
索引のように
見やすく
メモしておくといい

まだまだ続く
  これからの航海のさなか
     時どき見直すと  
 過ぎたその年が何だったのか  
   その都度 意味や彩を変えながら
もう度々は会わなくなった
旧友のように
     くつろぎの酒の
    得難い供になってくれる 

   すべて
  役目を終えたものと同じように
使い終わったところから
   手帳の仕事は
     ほんとうに始まる

終わってしまった
ところからこそ
人生とかいうものも
本当に
意味を持ってくるように



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