2017年1月12日木曜日

Lushのショップの石鹸の匂いのように



けっきょくは
どれもこれも応援歌ばっかり…

また
そう思いながら
流行りのポップスが流れる量販店のなかを
通過していく

ときどきは
終わった恋の
とらえ直しだったり
もう会わなくなったあの人
やっぱり
すてきだったよと
じんわり
確認し直すそぶりをしたり

ポップスって
どうしようもなく
老人じみている

わるいって
言ってるんじゃないんだよ

子どもだって
若者だって
心のなかでは老人
まだ
カラダだけは
老いたり衰えたりしていないつもりで
まだ
まだ
まだ
と怖がっている
老人

かたちにしがみつき
ふり返ってばかり
びくびくして
それが「じぶん」
でもあるかのように
信じ込んでいる
それまでの小さな円陣から
出ないように
出ないように
そんなことをして
ばかり

流行りのポップスが流れる量販店のなかを
通過していく

明るい…
夢…
未来…
きみとぼく…
あしたが…
 ずっと…
 いつも…
 永遠…
 あの頃は…

そんな言葉が
Lushのショップの石鹸の匂いのように
あとから
あとから

あとから
あとから




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