2017年3月7日火曜日

正気

  

正気を保つのが難しい時代になっているのではなく
もともと正気はつくり出し続け維持され続けるべきもの
殴られたり刺されたり切られたり潰されたりしたら痛いもので
そういうお互いさまの痛さの与えあいはやめようというのが正気
これをやればそれに発展してそうしたらあれに発展して
そうなると大がかりに自分や他人の体が痛くなると想像するのが正
そんなふうに痛みを大がかりに応酬しあうのは止めようというのが正気
こういう思いはどうやら自然に維持されるものではなく
カッとしたり物欲しげになるとすぐに蒸発するのを
歴史は教えてくれるものだから歴史の勉強は大事だと思うのも正気
理屈や議論を深くクネクネと方々にねじくり過ぎれば
他人に痛みを与えるのも善いとなってしまうと知っているのも正気
だから理屈や議論をヘンにクネクネさせ過ぎないように
程度や加減をわきまえるのもたいそう大事なのだが
こういうわきまえの仕組みは自然に脳に組み込まれているものでなく
脳を使う「わたし」がいつも脳の上に居続けないといけないわけで
こいつはなんとも大変な責務だけれどもうどうにも逃げようはないんだと
覚悟してニンゲンをやっていく他ないと諦めるのも正気



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