幾人か
また
いくらか知りあった人が
物の世を
離れていこうとしているのが
感じられてきている
知りあったことのない人たちの場合は
もう
数知れず
離れていくのが…
わたしの遠い友
イザヤや
エレミアや
エゼキエルたちのように
また
記さねばならないか
無駄なのに
無駄なことを…
(予感する力に
(恵まれているのは
(今では
(いつまでも
(隠し続けなければならない…
それ
物の世を離れていくことは
たいしたことなど
ないのだと
やはり
告げるべきか…
いや…
とはいえ…
たとえば
さっきまでいた広場を
離れた此処から
遠巻きに眺めてごらんなさい
さっきまでいた痕跡が
ありますか
靴跡が残っていたとしても
それはいつまで
ありますか
それはあなたですか
さっきまでいた場所は
いまは空っぽ
あるいは
他の人体が
通り過ぎたり
しばらく立ち止まったり
物の世の法則は
人の感傷的な情など
一顧だにしない
食肉処理場で
ヒト科が
他の動物の情など一顧だにせず
機械的に殺し
裂き
切り分け
食品に仕立て上げていくように
物の世の法則は
ヒト科を分子に戻していく
原子に帰していく
時どき戦乱時の虐殺などを引き起こして
わたしはそれをお前たちに教えているのだが…
と神がはっきりした声で言っているが
声の周波数に聴力が合わないのか
ほとんどのヒト科の耳は
それを感知しない
感知するまで
わたしは教え続ける…
と神は言っている
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