曇り空のまま
ゆうべ
暮れていくのにも
無限の趣がある
曇った空は
黒くはならず
地上の人界のあかりを反映し
まだらに
暗い灰色となる
夜への深まりとともに
この灰色は暗くなっていくが
黒には成り切らない
ずっと見ていると
この色あいや
暗さが
精神を深めるのに
とてもよいと
気づく
いつのまにか
雲が切れて
晴れた夜空がのぞいていたりする
暗くなっていくものの
驚くほど美しい青が
ひろがっていたりする
見ているうちに
濃紺の
夜の衣装に静まっていく
黒紺になり切った空は
日中のひかりとは異なった
べつのひかりの凝集のように
見える
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