かつてない
猛暑だの
酷暑だの
騒がれていたようだった
だが
8月に入り
雨がちの天候になってからは
暑さの中にも
ふいに
驚かされるような涼しい空気が流れ込むような
瞬間も出てきて
せっかくの
夏の熱暑も根気が続かずに
もう
秋になだれ込んでしまったか
と思われた
こんな知りあいたちが
むかし
何人もいた
若さの権化のように
ごく
短いあいだ
だれより激しく無軌道に遊びまわって
ふいにひとりの
これということもないような
地味な異性に引っかかり
子供ができて
無難な家庭人に転落していく
その後は
ウンともスンとも
若さのほとばしりは聞こえてこなくなり
年賀状に乳児の写真や
成長していく子供の写真を印刷して
送ってくるばかり
今年の夏は
そんな夏だったか
と思われた
だが
暦をぼんやり見ていて
気づいた
8月7日は
もう
立秋ではないか!
つまり
今
すでにして
晩夏
なのだった
夏は
みずから
じぶんの晩年を
しかるべく
至極
まっとうに
過ごしている
ところ
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