悪人というものが
たしかにいる
自然界の一要素のように
元素のように
幸運もしくは
偶然から
出会ったことのない人々が
のんきに言う
誰とも仲よくとか
話せばわかるとか
はては
平和とか
子どもじみたことを
強度の劣等感から
悪人の自我はおのずと
濃厚に練り上げられ
あらゆる他人への憎悪と見下しと
表面的な媚びへつらいとを
交互に表出する
すこし見ていれば
これはすぐに識別できる
悪人にとっては
他人はみな貶めの対象か
利用や搾取対象で
たいてい
爬虫類のような目をしている
他人の隙を
一瞬も逃すまいと
細く鋭く狙っている
人界でも最も低いたぐいの比較の闇に
会話や心理を引きずり込まれ
蔑みや偉がりを
次々と繰り出されるので
彼らに少しでも関わった後では
妙に不愉快になっていたり
時間を無駄にした思いに苛まれたり
心が疲弊していたりする
ありふれた
目にとまりやすい
通俗的なブランド物を
これ見よがしに
ちらつかせていたりする
石の輪を幾つも
手首に巻いていたりもする
悪波動を容易に貯め込む
なんとかストーンは
身体に付けるのは厳禁だが
運を引き寄せるために
そのたぐいのものを
いろいろと身につける
運を引き寄せたいという思いが
その人物に運のない証拠で
ストーンが本当に帯びるのは
運のない状態と心境
運を引き寄せたいという
永遠の欲望
これによって
不可視の世界の同族たちと
ひろく密につながり合い
霊体はいろいろな不満と不幸に
いつまでもいつまでも
漬けられ染められることになる
霊力が少ないのなら
こういう連中にはかかわらず
ただ距離をとるのが
もっとも賢明
十分な霊力があっても
物質界に派遣されている以上
時間もエネルギーも限られているから
やはりかかわらずに
ただ距離をとるのが
もっとも賢明
したがって悪人たちは
この人界にはびこり続けるが
人界は界の中心ではない
ふいに紛れ込んだ場末の小路が
闇やゴミで溢れていようが
わたしたちはそこを
そのままにして去れば
いいだけのこと
0 件のコメント:
コメントを投稿