詩がひそひそと
しおしおと
鬱々と
ワタクシを吐露する
ふりをする
時代もあった
ワタクシの
垂れ流し方が発見され
流れに乗って
詩人たちが
オレのワタクシ
ワタシのワタクシ
アタシのワタクシを
あっちこっちで
吐露
吐露
していた
それだけでは鬱陶しいので
薔薇園を添えたり
海の風景や
嵐や
山や雲やと
描写も添えたり
そんな時代もあった
ということ
それだけのこと
いまも
詩人たちは
じぶんのワタクシを
うるさいほど
吐露
吐露
しているようだが
それほど
たいしたワタクシを持ってないので
うすっぺらの
ペナペナなワタクシなので
どこかのオジサン
オバサン
あるいは神経質娘が
ヘンなことばづかいをして
ひとりでイッテるように
見えるだけ
そんな時代もあった
ということに
なる
いずれ
それだけのことに
なる
いずれ
いずれ
そんな時代なのだ
いま
ワタクシはぺなぺなでも
ワタクシのまわり
一ミリほど離れたまわりでさえ
ぺなぺなでは
ないかもしれないぞ
絶望するなかれ
ぺなぺなワタクシ
も
使いよう
ぺなぺな詩
いいんで
ないの
逆立ちさせれば
なぺなぺ
いいんで
ないの
なぺなぺ
に
理あり
なぺなぺ有理
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