2022年4月12日火曜日

ワーズワースの詩句の一節を送っておきたい


  

Plain living and high thinking

William Wordsworth

 

 


 

20世紀の終わりから散見されるようになり

21世紀の20年間にわたって

どこの社会でも平然と振りまかれるようになった表現に

「~を楽しむ」

「~をエンジョイする」

などというものがある

 

極端なまでに狭隘な状況認識から来る

愚かな居直りの表現といえる

 

軽薄な雑誌で目にすることが多かったし

旅行やレジャーやグルメを売りつけてくるテレビ番組でも

さんざん見せつけられた

 

見たり

聞いたりするたび

できるというなら楽しんでみろ!

できるというならエンジョイしてみろ!

と思った

 

もちろん

おごり高ぶる平家一門のひとりと自認して

我が世の春を謳歌するつもりならば

それはそれ

それなりにふさわしい言い方かもしれない

 

われこそは現代の藤原道長

と自認できる者たちなら

たしかに

人生の一時期だけは

「~を楽しむ」

「~をエンジョイする」

に慣れ親しむのも

あり得るかもしれない

 

この世をばわが世とぞ思ふ望月の欠けたることもなしと思へば

 

これだ

こういう時期もあり得る

こういう時期を持てる人もいる

この世の人界は

無数のアトムをまき散らして反応させる

ゲーム台なのだから

 

狭窄していないふつうの視野を持って生きていれば

「~を楽しむ」

「~をエンジョイする」

など望みようもない人々がたくさんいるのが

すぐに目に入る

あの連中のかわりに

あの連中とは違う自分は

「~を楽しむ」

「~をエンジョイする」

で行こう

そう思って感情も世界認識も断捨離整理してしまえる者になら

「~を楽しむ」

「~をエンジョイする」

という口癖は向いている

 

テレビ番組も

軽薄な雑誌も

「~を楽しむ」

「~をエンジョイする」

で釣って

旅行やレジャーやグルメを売りつけてくる業者の

パンフレットに過ぎない

人生は楽しめるもの

エンジョイできるもの

であるかのように容易に誤認する愚か者を

たくみに

というよりけっこうあからあさまに

罠に落す手法だ

 

数時間だけ

数日だけ

なんちゃって王侯貴族?

そう納得したうえで試すなら

それはそれ

むなしさを表皮一枚でかろうじて跳ね返すイクスピアリエンス

 

まあ

「~を楽しむ」

「~をエンジョイする」

の果てが

アベシンゾーであり

キシダであり(お小姓すぎて下の名前も思い出さないよ…)

どんどん帯状疱疹かつ死ね死ねワクチンであり

ネオナチ・ウクライナへの武器資金援助であり

 

与党どころか社民から共産党まで

ネオナチ・ウクライナを救え

武器を買うか西側強欲裏社会に取られるのがわかっている資金を送

日本だってロシアに攻められるかもしれない

日本も武装を見直せ

憲法改正して戦争のできる国にしろ

まあ

みごとといえばみごとな

ナチス効果

 

公安調査庁さえ

圧力をかけられて

ウクライナについてのネオナチ記事を削除

 

この話はいくらでも続けられるから

ときどき

時間を無駄にしたい気分になった時に

また

持ち出すとしよう

 

そういえば

藤原道長は若い頃から糖尿病で

 

この世をばわが世とぞ思ふ望月の欠けたることもなしと思へば

 

の歌を作った後

急速に体調を崩していく

 

享年62

 

背中じゅうに腫れ物ができ

苦しみながら

死んでいった

癌とも推測されるし

糖尿病の悪化ともいわれるが

いずれにしても

免疫力の低下がいろいろな症状を呼び寄せたものだろう

 

右大臣になっても

天皇の後見であるに過ぎないし

事実上のトップである左大臣になったすぐ後

32歳の時には大病を患っており

その後も

三条天皇との対立もあれば

晩年も息子の頼通と意見の一致が得られたわけでもない

望月の欠けたることもなし

などという時期は

道長の意識の中では

ごくごく短かったか

ほとんどなかったと推察すべきだろう

 

道長には

ワーズワースの詩句の一節を送っておきたい

 

Plain living and high thinking

 

フランス革命から

共産党宣言までの激動期を

湖水地方で

自然賛美の詩を書き続けて生き切った

ただならぬ

巧みな生存能力者

自然美の享楽者

ワーズワース

 

「~を楽しむ」

「~をエンジョイする」

ワーズワースにこそ

ふさわしい






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