2022年4月28日木曜日

まだまだ一日は始まってもいない

 

 

毎日とるべき睡眠時間としては

アタマやからだを休ませるためには

七時間とか八時間とかが必要なのだと

こまぎれのネット情報で流れてきたりする

子どもの頃に教わったのとだいたい同じだ

 

あれこれ医学的に考えを盛り込めば

きっとそのぐらい必要なんだろうけれど

毎日規則正しくそのぐらいの時間眠って

その後キリッとちゃんと起きて活動的に云々

などという生活ってできたためしがない

 

なるべく理想的な睡眠時間をとろうと思うが

数日うまくいったかなとよろこび出すと

からだは突然ハチャメチャをやらかす

翌日はやめに出ないといけないというのに

朝方まであれこれ本を見ていたかったりする

 

数日いそがしい外出が続いた後では

あたまやこころは歴然と反旗を翻しはじめ

東の空が明るくなる頃まで元気はつらつになる

そうして朝から出ないでいい日となれば

眠りという生き物は昼ちかくまでのっぺり居座る

 

もっとも朝の五時過ぎてから寝入ったのに

九時頃にはさっぱりとして起き出たり

七時には起きないといけないという日に

五時半頃に寝付いてもけっこう快調に起きたりもする

眠りという友はいまだに謎の多すぎる奴だ

 

思い出すが小学校の低学年の頃は朝が大好きだった

特に学校に行かない日曜日には自然に早起きしてしまい

寝ている親を起こさないように玄関をそっと開け閉めして

馴染みというのにほとんど人のいない近隣を駆けまわり

跳ねたり跳んだりいたずらしまくったりして来る

 

いたずらといってもたいしたことをするのではないが

雑草の葉っぱをひとつかみでどのくらい毟れるかとか

花を付けたツユクサで手のひらを染めまくってみるとか

沼のふちのカエルにしつこく小石を投げてみるとか

見つけた缶をどのくらいうるさく蹴っ飛ばせるかとか

 

そんなことをして帰ってきてもまだ親は寝ていて

朝ごはんまで本でも読むかとおもむろに一冊取りだし

ふむふむと読みはじめたのもつかのま

挿絵に書かれた少女の顔にヒゲを書きはじめたりして

まだまだ一日は始まってもいないと余裕をかましたりするのだ

 





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