2023年1月12日木曜日

西宮まで

 

 

西宮の川島秀一さんを

昨年

とうとう

訪ねずに終わってしまった

 

昨年の元日

ふいに電話が来て

自宅の中に

得体のしれない強いひかりが現われるようになり

自分の目からも

強烈な光線が出るようになって

ひかりの跡も

壁に残ったりするほどだ

と聞かされた

 

これを客観的に記録したいので

証人として

実地に見に来てくれないか

撮影しに来てくれないか

そう頼まれたのだった

 

わたしは許諾したのだが

忙しくもあるし

西宮というのは遠くもあるしで

結局

行けないで1年が過ぎてしまった

 

今年届いた年賀状には

その後の展開が

すこし記されていて

なんと

現在の段階では

東日本大震災の津波で死んだ女性が

川島秀一さんの伴侶になっていて

いろいろと怪異現象を起こし続けている

とのことだ

 

もちろん

高度の精神異常がこの人に起こっていて

しかしながら

ふつうの生活上の認識や判断力などは保たれており

言表能力も明晰なままである

という観察も可能だろう

 

しかし

そもそも

いくつかの大きな怪異現象の上に

現在のわたしの人生が構築されてきた経験があるので

この人が数年来体験していることを

無下に否定する気にはなれない

 

もともと

死んだエレーヌの教えていた

朝日カルチャーセンターのプルースト読解のクラスの学生で

フランス語で『失われた時を求めて』を読むほどの人である上

東京大学文学部卒のロシア文学通でもあり

ロシア詩の大部の翻訳を行なってもいる

 

怪異現象をわたしに語る際にも

いちいちの説明は明晰で詳細であり

精神をやられた

といったような様子とは

まったく異なっている

 

今年は

西宮まで出向いてみないといけないかも

しれない





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