2023年1月15日日曜日

蚕のようにみずから自分の死ぬ家を


 

若い時にはピンと来なかったが

歳を重ねてくると

セルバンテスがどれだけ凄い作家か

身にしみて

脳にしみて

心にしみて

わかっている

 

『やきもちやきのユストレマドゥーラ人』なんか

短編だけど

読んだことあるかい?

 

「わたしはまるで

蚕のように

みずから自分の死ぬ家を

こしらえていたんです」

 

真理が

浜辺の砂にまじる金砂のように

きらきら

まき散らされている

 

まったく!

だれもが!

「蚕のように

みずから自分の死ぬ家」を

長々と

人生時間をかけ

作っていくだけだ!

 

まったく!

それ以外の人生というのは

絶対に

あり得ないのだ!

 

 




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