さようなら、自我、死すべき妹、虚しい像よ……
ポール・ヴァレリー『若きパルク』
わたしのように過度に広範な情報を得るようにしていると
世間に大きく受け入れられて人心を波立たせる情報が
たいていは作為的に仕掛けられた工作情報だと感知できる
それらに仕掛けられた意図を多くの人に知らせようとしても無意味
人は絶望的なまでにそれまで培ってきた偏見の中に棲み続けようと
そうした偏見がその人の世界であり自我であり真でもあるので
偏見とともにいつわりの栄えを喜んだり滅んでいくことしかしない
滅びはなんらかのかたちで万人が強いられているものだから
偏見の中に棲む者たちが滅びゆくのを馬鹿にはしまい
しかしおのれの盲信とその先にある滅びが
神国を支えるだの隣人への配慮となるだの人間愛そのものだの
政治理論や集団倫理の幻影の歴史の変遷さえ考究せずに
ただ無知無思慮無計画に追い詰められたというだけの愚者の群れが
ついに断崖から投身するに至るごとき愚挙には出ないよう心がけよ
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