気ままな詩選を自分の愉しみのために。制作年代も意図も問わず、まちまちに。
遠き世のことのやうなる氷水
岩田由美
暑くなると
テレビなどはすぐに
かき氷に食いついている子どもを
撮したりする
子どもの頃
かき氷はさんざん食べたので
大人になってから
あれに
未練はない
まったく
ない
冷たすぎて
歯に
ガーンと来る
あの感覚
ギーンと来る
あの衝撃
あれを
もう経験したくはない
と思えるほど
さんざん食べたので
死んだからといって
かき氷食いたさに
化けて出てくることなど
ぜったいに
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