2023年7月9日日曜日

国道上の歩道橋


 

 

炎昼や国道上の歩道橋

(佐藤輝之)

 

この句を読むと

小学校低学年の頃の

登下校の時の

歩道橋が

いまでもありありと目に浮かぶ

 

夏休み前

暑くなってくると

下校の時など

歩道橋を上り下りするのは

めんどくさくて

でも

車のいっぱい通る道なので

子どもながらに

しっかりと歩道橋を昇降するのだが

太陽がぎらぎら照りつけていて

鉄の柵がかんかんに熱くなっていると

なんだか凄いなあ

ひょっとしてこれが人生の頂点じゃないか

みたいな感覚を持った

 

後年

カミュの『異邦人』や

ニーチェなどに感じた親近感は

思想的というよりも

この歩道橋での夏のギラギラ感を

的確に言葉で再現してくれたからのような

気がする

 






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