ひとを殺すのが楽しかった頃
なによりいちばん楽しかったのは
親しい友のガールフレンドを彼の目の前で裂いたり
先生の娘や市長の娘を彼らの目の前で犯したりすること
犯してから腹を裂くのだけれど
温かいというより熱いほどの内臓にぐずぐずと手をめり込ませて
ずくずくさぐるようにして引き出すのが
ほんとうに楽しかった
そんなふうに
ひとを殺すのが楽しかった頃
夕暮れはいつもせつなくうつくしく
そのうつくしさに応えるために
明日もしっかりひとを殺そうと思ったものだった
なぜか夜明けはひとを殺す衝動に合わず
ともすれば嫌悪したものだ
夜明けはどれも
これも
ああ
町も殺されたがっている!
文化などと呼ばれる
あらゆる生活臭の堆積も
生きざまの垢も
行き損ないどもの途惑いの跡も
殺すわたくしはだれか
って?
わたくしはひと
ではなくて
シト
使徒
と漢字を当ててみれば
ちょっとは
箔がつくかしら?
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