詩にはそれなりの
仕事とまではいわずとも
得意な作業が
やはり
あるだろうに
ねェと
また思いながら
こうして
眺めている
永楽山脈のあの
くっきりとした青紫の
稜線の流れ
足元に
ちゃぷちゃぷ
音を立て続けている
波寄せる
聖寵湖
桟橋にこうして坐っていると
世界は水と
波と
連山の青
紫
まだ点ほどにも見えないが
この岸から
そろそろ
見え出すはずの船が
幼馴染みの
彼女を乗せて
来る
来る
わたくしの
人生を金輪際
すっかり変えてしまい
2600年以上続いたわが家と
1800年続いた彼女の家との
重く厳かな婚姻の絆を
さらに数千年の後にまで
続けてさせるために
その絆の中に
わたくしの我も
彼女の我も
溶け崩し切ってしまわんがために
来る
来る
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