生きているひとは死んでいて
死んだひとこそ生きているような
鈴木清順『ツィゴイネルワイゼン』
死んだ人たちが
どうも
死んでいるように
思えない
きっと
狂っているのだろう
わたしは
生きている人たちが
どうも
生きているように
思えない
きっと
狂っているのだろう
わたしは
さっき ともに歩み
しやべり 笑いもした
あの人たちも
もう 彩り薄れた幻影
きっと
狂っているのだろう
わたしは
ともに歩んだ道も
お茶を囲んだテーブルも
壁も 窓外も 音楽も
もう 夢のセピア色
きっと
狂っているのだろう
わたしは
もうだいぶ昔 ともに歩み
しゃべり 笑いもした
あの死者たちが
生き生きと 彩りあるまゝ
きっと
狂っているのだろう
わたしは
死者たちと歩んだ道も
お茶を囲んだテーブルも
壁も 窓外も 音楽も
なおも 現実の鮮やかさ
きっと
狂っているのだろう
わたしは
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