2020年6月4日木曜日

TAE ASADA MOISTURIZING HAND SOAP

 

新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、感染防止のために手洗いが奨励された。このため、ハンドソープへの需要も増して、ドラッグストアからは姿を消した。

家の洗面所で使っていた市販の安いハンドソープをちょうどこの頃に使い切り、買い換えるにも商品が見つからなかったので、石鹸を利用しようかと考えたが、未開封のTAE ASADA MOISTURIZING HAND SOAP 300ml 10.1fl.ozがあったことに気づいた。安倍晋三首相が非常事態宣言を発令したのは4月7日、翌8日には発効したが、この頃から、このハンドソープを使い始めた。

約2ヶ月が過ぎた。

縦長の透明プラスチック壜に入ったこのハンドソープも、6月に入ってほとんどなくなりつつあり、明日明後日には使い切るだろう。いつもと違って、手を洗うことを意識させられた2ヶ月ほどのあいだ使い続けたハンドソープとして、こういう商品としては珍しく記憶に留めておきたい気がする。
肌をなめらかに潤すシャルドネエキス発酵ローズハチミツなどの美容成分がお肌をしっとり美肌に洗い上げます。みずみずしくフレッシュな柑橘の香りに、フローラルの華やかさとスパイスのシャープさがプラスされた個性的でスタイリッシュな香りが広がります」
 キラキラした文句をたっぷりまぶしたこんなコピーが、小さな字で壜の後ろの説明書きに印刷されているが、たしかに香りのよい、肌ざわりのよいハンドソープだった。新型コロナウイルス騒動の過程での、異常でもあればルーズでもあり、狂騒的でもあれば、脱力の極みのようでもあった世間の動きと停滞を見続けながら、帰宅すると毎晩これをプッシュして液体ソープを手のひらに取り、手を洗って、――洗うといっても、世の医療関係者たちが推奨するような生真面目な洗い方はとうとう一度もせず、ごくいい加減に手のひらと甲と指先を洗う程度で、いまだに手首など洗ったことがないのだが――、ともかくも、新型コロナウイルスに不可視の襲撃をされ続けていたらしい時期を、ずいぶん親しんだハンドソープだった。
壜が長すぎて、洗面所のまわりに置くにはやや不便なところもあったが、ハンドソープがそれなりに尊重される珍しい時期だったため、多少の存在感の強さも今回は許され、新型コロナウイルス騒ぎの最盛期をともに過ごしたことになる。使い切った容器は今週中には捨ててしまうだろうから、いささかの記念の思いを込めて、このように記しておこうと思う。

ちなみに、これは2020年の話である。数年後、数十年後の地球ではもう誰も覚えていないだろうが、地上の諸国で新型コロナウイルスと呼ばれたウイルスが感染を拡大したことがあった。感染拡大前後の経緯を考えあわせれば、単なる自然のウイルスの発生や伝播ではなく、地球上の権力移動のために仕掛けられた作戦であったことは、当時から明白であった。その後に起こった世界中の国々での内乱や自壊は、21世紀史が伝える通りだが、新型コロナウイルスとそれらの出来事との関連性についての詳細な解明は、22世紀どころか、23世紀の歴史学の成果を待たねばならないことだろう。




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