2021年3月19日金曜日

表現しないことをなにより尊ぶひと

  

映画を見たり

小説を読んだりするのも

じつは

さびしい

 

新聞でならせいぜい三面記事になるか

そのようにさえ

取りあげられないか

そんな出来事を

ご大層に

大げさに演出して

フィクションでござい!

創作でござい!

表現というものでござい!

これ見よがしに見せつけられて

こんなものが

文化なのか

よく思ってしまう

 

もうしわけないけれど

わたし

表現しないことをなにより尊ぶひと

表現されてもされなくても

あったことはあったこと

生成したものは生成したもの

なんであれ

起こるがまま

生成変化していくままであれば

もっと

わたしの栄養になると感じる

 

そのようなわたしとは

だれ?

 

人間がこしらえたものより

吹きすぎていく風や

ひかりの刻刻のうつろいのほうを

うれしく感じ

しっとりじんわり楽しみ

五感をひらいて

いつもボーッとしている

 

そのようなわたしとは

だれ?





0 件のコメント: