畳敷きの小さな部屋だが
安いソファが奥の窓のほうにあるので
そこに座って
ラジオを聞いてみている
ラジオ講座でフランス語と英語を聞くのだが
テキストは持っていない
でも会話の本文に出てくる
未消化な表現を学ぶだけなので
テキストはなくてもかまわない
会話といっても簡単なので
意味を調べないといけないほどでもない
となりの部屋には父がいる
となりの部屋との境の戸は開いている
ラジオの音が聞こえると
じゃまになるかなとちょっと思うが
小さくかけるので大丈夫だろう
それに電池があまり残っていないようで
音は小さくしか出ない
聞き終わったらどうしようか
などと頭のどこかで考えている
なんの計画もないが
外には明るい晴れ上がった春が
まるまる一日分
ぼくを待っているのがわかっている
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