出来のいい短歌ではないが
若いひとから
満員電車のなかで意識を失いそうになったという歌を
見せてもらった
込み過ぎている電車でも
必死に乗り込んで
学校の
授業に向かわないと
単位が取れない
しかたなく
満員電車に乗り込むわけだが
あまりの込みように
意識が遠のいていきそうになった
というのだ
短歌はそこで終わらず
最後に
コロナ禍が恋しい
といった意味の文言を
つけ加えてある
ああ!
ほんとうに!
そうだよね
コロナ禍
恋しいよね
懐かしいよね
あれはあきらかに
国際展開をしている製薬会社らや
地上の人減らしに精を出している国際資本や
それらの糸をひく富裕層が仕組んだものだったけれど
人類よ
もう少し
地球破壊に行き着くばかりの活動を抑えて
ボーッとしや!
というメッセージではあった
あくせく活動したところで
稼いだ財は
絶対に権力者たちや
富裕層たちに吸われていく仕組みなのだから
働きづめの蜜蜂たちと同じこと
一定の間隔で
巣箱から蜂蜜を持って行かれるだけのこと
むしゃむしゃ食べて
適当に運動して
健康な肉体に成長したところで
屠殺場に送られていく
ブランド和牛みたいなもの
緊急事態宣言下の東京の
あちこちの大通りが
どんなに車が絶えて静まりかえって
地球の終末を描く映画にでも出てきそうな
非日常の未来都市の光景そのものとなっていたか
コロナ禍恋し
とつぶやきながら
思い出す
銀座の大通りで
左右どっちの方面からも車が来ないなかで
道路の中央に寝転んでみたが
いくら寝転んでいても
ぜんぜん車は来なかった
あのとき
ぼくは人類の最先端の経験をしていたのだ
人類の最先端の願望を実現していたのだ
ああ!
夢よ!
もう一度!
ファウストのように
時間よ!
止まれ!
おまえは美しい!
と
ぼくは
たったひとり
人類そのものとして
つぶやいたのだ!
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