九月一日
はじめより雨賜りて九月かな
月の雨しとしとやがて轟々と
枝豆はやはり冷凍物は駄目
十六夜も隅田川辺のジョギングを
月今宵『暗くなるまでこの恋を』
立待やアーレント読むべき時勢
秋団扇治るともなき筆無精
八月尽ツェラーンを語るむづかしさ
秋の蝉彼も彼女もわたくしも
秋茄子(あきなすび)まあ幸せといふことか
九月二日
迢空忌なれの果てまでこの国を
九月三日
八朔やポイ捨てされる総裁も
秋出水少なきことを祈るなり
居待月ドラえもん生誕予定日の
子規忌まで間あり褌買ひに行く
一階に住むしあはせよ虫の声
粗塩で馬鈴薯を食ふ贅沢に
九月五日
国難や花鳥風月深むべし
蜩の今日はふた声三声のみ
残る蚊はまたカーテンの何処にか
九月六日
花茗荷またぶり返す暑き宵
九月七日
今日の月ひとり迎へて澄みわたる
鰯雲まあ豪勢に一面に
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