その夢のなかでは
ながく長く時間をかけて
死んでいった
しだいに
やがては加速度的に
衰弱し
最後には動けなくなり
世話をしてくれる人たちに
万感の感謝の思いと
その人たちの心のなかへの
沁み入るような気持ちの没入を
経験していた
死んだ後に目が覚めたのだが
死んでいく人の心が
これほどまわりの世話人たちや
介護する者たちの内部に入り込み
これほどまでの無限の感謝をし続けるとは
いままで気づかなかったと思った
失われていく自分だけに思いは集中し
まわりの人々のことなど
個人として見ようともしないのではないかと
思ってきていたので
それにしても
夢とは不思議なもの
そこからこそ多くを学んできた
現実という舞台の縁で
露わに見えてしまう
なんとたくさんの楽屋事情や裏事情
現実が現実でなどないのを
あからさまにわからせてくれる
水流のぶつかりの場所の意識
切り替わりのところに生まれる目
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