弱々しそうに見え
窮乏していると見える人さえ
ドロリと
自我の汚泥を垂れ流して
引き摺って歩いていることがある
心身を支えるための
最低限の自我は要るけれど
それを超え過ぎて
自尊から自慢に肥大していくと
自我は腐臭を発し
まわりばかりか
自分の寄生している心や身体まで
損ないはじめる
そこから来る弱々しさや
窮乏もあって
きっと
助けようもあるのだろうけれど
なかなか
―あなたの感じ方から始まって
思い方も
夢も理想も義憤も
あれには価値があり
これには価値がなくて
という判別のしかたひとつひとつも
あなたの小さな頭蓋の中の幻燈
肌から一ミリでも外に出れば
あなたなんていない
あなたの世界なんて
だれひとり
分かちあわない
もちろん
そう言ってやっても
聞かないから
そう言わずに
通り過ぎる
そう言わずに
目さえ
留めない
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