もう花をつけた桜もある
けれど
河沿いの桜並木の蕾は
まだまだ
早春なのに
こんなに固い蕾で
大丈夫なのかと
思うくらい
河は暗く流れて
夕べの早春の景色の一部をなし
うすら寒い
人を不安な気分にする
夕べの暗がりの
雰囲気の底に横たわっている
春が来る
春が来たと
人は期待したり
嬉しがったりするが
こんなうすら寒い
暗がりの底に流れる河を見ながらも
盛りの春の心であり得なければ
老い続け
衰え続けていく人たちに
心の早春さえ
来なくなってしまうだろう
このうすら寒さ
この夕べの暗がり
暗く暗く底を流れる河の景色を
このまま嬉しく見られるのでなければ
あす明後日
数か月後
一年後
数年後の明るさは
心には来ない
いよいよ来なくなる
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