欅坂46の「二人セゾン」*が
生きるとは変わること
と教えを垂れている
春夏で恋をして
秋冬で去って行く
とにっぽん伝統の四季崇拝を伝授している
霊のように
ウィルスのように
ネットからテレビへ
テレビからあちこちの店のスピーカーへ
そうしてスマホへ
イヤホンへ
ヘッドホンへ
流れては
消えていくというより
人びとの血肉に染み込んで
にっぽん古来のむなしさをさらに増幅させていく
はやり歌たちは
きまって
わずかの文句に
普遍の真理もどきを潜ませる
もちろん
壮大な嘘に人びとを引きずり込むために
悪魔がいつも最初に小さな真理を語るように
生きるとは変わること
と聞きながら
そうだ、ほんとに
と思ってしまわない耳は
たぶん少ないが
幾重ものむなしさに鍛え上げられて
そう思いさえしないまゝに
たぶん
あたりまえのように変わり続けている
耳のたくさんの
持ち主たち
二人セゾン
二人セゾン
と聞きながら
さらに
変わることこそ生きること
などと屋上屋を架して言いふらして
もっと
もっと
世の末の此岸をさびしくしてやろうと
思ったりもしてしまう
ひとりセゾン
ひとりセゾン
*欅坂46「二人セゾン」https://www.
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