いつか見られるにちがいない

 

畑があったり

草っぱらがあったり

 

そんな道が

だんだん

住宅街の中に入っていく

 

おや？

 

革靴の中に

小石が入っているのに

気づいた

 

かかとの近くに来たり

土踏まずのあたりへ

さまよっていったりする

 

ぴっちりした革靴を履いているのに

どこからどう入ってしまうのか

ふしぎでならない

 

靴の外側を伝って

しっかり登って

意志あるもののごとくに

中へと入り込んだ

としか思えない

 

子どものころ

小石がよく靴に入った

紐をしっかり結んで

きっちり靴を履いていて

小石なんか入るはずがないのに

なぜだか入ってくる

 

靴を脱いで

さかさにしてみると

ころん

小さな石が

転がり出てくる

 

小石というより

小じゃり

とでもいうべきものだが

どうして靴の中になんぞ

入って来れたのか

わからない

 

どうしたって

靴の外側を登って

意志あるもののごとくに

中へ入り込んできた

としか思えない

 

そう思いながら

ほかの人の靴を見つめたり

よくしたものだった

小石が靴の外側を登っていくのが

きっと

いつか見られるにちがいない

と思いながら