だんだんと自慢話に傾いていく人を聞いているのは
男であれ女であれ
年齢がどうであれ
いろいろと込み入った物思いをさせられるので
不愉快なものである
自慢も
滅多にないような大きな話なら
それはそれで情報としての価値が出てくるので
こちらも聞きでがあるのだが
こちらを聞き手とする程度のそんじょそこらの人たちに
さほどの稀な事態があったはずもないので
語れば語るほど自慢の底は割れてくる
しかも結局は過去のお話に過ぎないとなれば
誇らしげに語る目の前の人のみじめさはいっそう際立ってくる
自慢話などする必要がないほど
いま美しい人や
しとやかに静かに自らの魅力のなかにうつむきがちになっている人や
次々と楽しいことを追っているさなかの人たちと会うのが好きなので
自慢話をする人たちからは
自然と距離を取ることになる
それでいいと思う
若い頃はむりにも付きあい続けて
それがたしなみだとか
人情だとかと
義理堅いところがずいぶんあったものだが
どれもこれも
ただの時間の無駄であった
だれもかれもが
つまらないことに拘泥しているだけの
ただの小者であった
人をどんどん捨てていく
ということが
よく生きるためには
本当に
本当に
必要である
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