2023年9月4日月曜日

時というものはたぶんないとさえ思っている

 


 

時の経つ速さに驚かされる

というのは

むかしからの

人間たちの決まり文句

 

時は

世間でふつうに思われているほど

流れたり

過ぎ去ったりしない

わかっているので

これには

あまり賛同しない

 

時というものは

たぶん

ない

とさえ思っている

 

けれども

つい

このあいだ

7月がはじまったり

8月になったりしたのに

もう9月か

ということには

けっこう驚かされる

 

つい

このあいだ

梅が咲いてよく香っていたのに

桜がほころびだしていたのに

などと思うと

もう9月か

ということには

ほんとうに驚かされる

 

この驚きから

ひとは

時の経つ速さとか

時間の過ぎ去る速さとか

思うように

なったのだろう

 

しかし

季節の推移や

月の名の移りかわりは

時間ではないし

時間が流れたということではない

 

そう言うと

ヘンなごね方をしているようにも

聞こえかねないが

ここのところは

けっこう重要なところ

 

時間は流れず

時は経たないのに

そうであるかのように思おうとして

ひとびとは

なにかから目を逸らし続けようとする

 

たぶん

時間が存在しない

という

あまりに重大な基本の事実と

その認識から

 

 

 




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