感情の血行不順みたいな

ソメイヨシノの散りいそぐころ

あゝ桜ももう終わり

ものみな過ぎ去っていくむなしさ

せつに思わせられ…候

などと

メールされても

なんか

うんざり

だって

いよいよ

八重桜の季節だもの

歳を重ねるほど

八重桜の

足腰のしっかりした女性のような

あのたくましさに

一目も二目も置くようになって

ぼってりした

健康印を

愉しみに待つようになった

なにが

ものみな過ぎ去るサ

なにかが過ぎ去った後には

どこでも

次の出番が控えている

となれば

むなしさってなんだろう？

なにか

特定のものばかりに執着して

それ以外のものの美質に目を瞑ってしまうような心の

ずいぶんわがままな片寄りぐあいから来る

感情の血行不順みたいな

ものじゃないかい？