じぶんの作品がちゃんと理解されないと嘆く芸術家の姿は
なんどか目のあたりにした
これこれこういう意図でつくったのだから
こんなふうに読んでもらわないと困ると語り続ける歌人の姿も
たびたび目にした
こころない批評をされたと怒る詩人たちも見た
しかし
嘆こうとも
怒ろうとも
自前の解説を続けようとも
そんなことで
作品が残っていくわけではない
ものの残っていく過程は
作者の望みや意図など全く無視されてのびていく細い奇跡で
なさけないことこの上ないし
残酷でもあり
意想外に不思議で魔法的でもある
仕事のすべてを捨てて映画づくりに身を呈した
はっきりとした才能のあったあの若い友はどうしただろう
ずいぶんお金をつぎ込んで自主映画を数本つくり
そのつど呼ばれて見てきたものだが
連絡が来なくなってから
もう15年以上過ぎたのではないか…
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